西洋医学における不妊とは

INFERTILITY

西洋医学的不妊

一般的な割合

日本では、健常に性行為があって2年間妊娠しない場合を、
医学的に不妊症と定義しています。
40%が女性側、40%が男性側、20%が双方、
または原因不明といわれており、ほぼ男女半々に原因があるとされています。

CAUSE

西洋医学的原因

  • 排卵障害
    卵子がうまく育たなかったり、卵子を作る卵巣の機能に問題があって、卵子が卵巣から飛び出せなかったりすることを言います。ホルモンが乱れ、排卵が起こらなくなる障害です。
  • 卵管障害
    卵管が詰まっていたり、狭くなっていたりする状態です。
  • 着床障害
    卵管を通って子宮に運ばれた受精卵は、子宮内部に根を張って成長を続けます。これを着床と言いますが、この着床が妨げられることです。子宮形態に異常があったり、受精卵のベッドとなる子宮内膜に着床しづらい原因があったりすると、起こりやすくなります。
    主な原因は、子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜ポリープ・子宮奇形・子宮内膜癒着・子宮内膜が薄い・黄体機能不全・子宮内膜増殖症・子宮体がんなどがあります。
  • 抗精子抗体
    女性の体内で、精子の動きを止めてしまう抗体ができる状態です。
  • 子宮内膜症
    卵巣や卵管周囲にできた病巣が、出血・剥離を繰り返し、卵管周囲癒着や着床障害を引き起こします。
  • 状態のいい精子をうまく作れない
    主な原因は、無精子症・精子無力症・乏精子症・精子奇形症・精子が精管を通過できない、などがあります。
  • 性機能の問題
    勃起障害・射精障害・性欲の低下などがあります。

INSPECTION

検査方法

  • 基礎体温の測定
    基礎体温計を使ってできる検査です。基礎体温を測ることで、排卵の有無、排卵日の予測、黄体機能不全が分かります。
  • 頸管粘液検査
    頸管粘液が十分に分泌されているかを検査します。排卵の有無や排卵日が分かります。
  • 超音波検査
    超音波で子宮や卵巣の状態を検査します。筋腫や子宮内膜ポリープ、卵巣腫瘍、卵巣のネックレスサインなどが分かります。
  • ホルモン基礎検査
    低温の時期と高温の時期に、採血によりホルモン量を測ります。
  • ヒューナーテスト(フーナーテスト)
    排卵日性交後、12時間以内に子宮内の精子数を調べます。精子の侵入度、頸管粘液との相性をみます。
  • クラミジア検査
    クラミジア感染の有無を調べます。
  • 子宮卵管造影検査
    子宮口から卵管にかけてX線撮影をします。子宮の奇形や卵管のつまりが分かります。
  • 子宮内膜検査
    排卵後5~10日目に行います。
  • 精液検査
    4、5日の禁欲後、精液を採取し、精液量、精子の数、運動率、奇形率、死滅率などを調べます。

ABOUT

病院治療について

  • 機能性不妊の場合の主なステップ
    • ・タイミング指導
    • ・クロミフェン療法にて排卵促進
    • ・ゴナドトロピン療法、人工授精の併用
  • 排卵性不妊の場合の主なステップ
    • ・クロミフェン療法
    • ・ゴナドトロピン療法
    • ・人工授精の併用
  • 男性不妊の場合の主なステップ
    • ・人工授精(総運動精子数が100万以上あれば妊娠可能)
    • ・体外受精-胚移植、腹腔鏡検査を考慮
    • ・体外受精-胚移植(総運動性指数が100万未満で適応)
    • ・顕微授精(体外受精-胚移植で受精障害がある場合、必要な精子数が不十分な場合)
  • 卵管性不妊の場合の主なステップ
    • ・子宮鏡下の卵管選択通水(卵管間質部閉鎖がある場合)
    • ・腹腔鏡下手術(卵管癒着がみられる場合)
    • ・人体外受精-胚移植(機能回復が難しい場合)
  • 子宮性不妊
    (奇形・筋腫・アッシャーマン症候群など)
    の場合の主なステップ
    • ・経頸管的切除術(粘膜下子宮筋腫・子宮内膜ポリープ)
    • ・筋腫核手術(子宮内膜を圧排・変形させる筋層内筋腫)
  • 子宮内膜症の場合の主なステップ
    • ・腹腔鏡検査(病巣の除去により妊娠率が向上)
    • ・腹腔鏡手術で臨床進行期の評価、病巣の除去、卵管・卵巣の癒着剥離、腹腔内洗浄
    • ・年齢、不妊期間、他の不妊因子、臨床進行期、卵管癒着により治療法を選択
    • ・術後、薬物療法は行わない

ART

高度生殖医療

高度生殖医療(ART)とは、
配偶子を人為的に操作して受精させ、妊娠に至らしめる一連の生殖補助技術の総称

  • 体外受精・胚移植
    体外で卵子に媒精させ、培養した胚を子宮内に移植する。卵管因子、抗精子抗体陽性、子宮内膜症、原因不明不妊など。
  • 卵細胞質内精子注入法
    顕微鏡下で、マイクロ・マニピュレーター操作下に精子を卵細胞質内に注入し、受精に至らしめる。
  • 孵化補助法
    孵化過程を補助し、着床率を向上させる。
  • 胚盤胞移植
    胚盤胞移植は着床率が高い。妊娠率を低下させずに移植数を減らし、多胎妊娠を予防。
  • 胚の連結保存
    胚移植後の余剰胚凍結、または予防目的での全胚凍結。
  • 体外培養
    未熟卵を採取し、体外培養で成熟させる。

INFORMATION

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